先日、マンション主催の夏祭りがあった。住民が運営するので、準備もそれなりに大変だが、楽しい。私は、同じ棟に住む人と出店した焼とうもろこし・フランクフルト・のみの市、映画クラブの前夜祭映画上映会、スキークラブのくじ屋、サイクリングクラブの花火打ち上げの手伝いをした。
毎年のことなので、だいたいは慣れてはいるが、スキークラブのくじ屋の店番は、はじめてだった。景品は、ぜんぶ、空気を入れて膨らませるビニール製のおもちゃ。1等から12等まである。1等はでっかいディズニーキャラクター(空気をいれるのがしんどかった…)、2位はキティちゃん、3位はプーさん、4位は乗り物、5位はだっこちゃん風人形と…等が下がるごとに、ちょびっとづつ小さくなっていく。10~12等でも、かわいい動物キャラのおもちゃが当たる。
景品が景品なので、お客さんは小さい子供ばかりだ。
くじは、人生ではじめて接する「運」ではないかと思う。1回150円。子供には、安くはない。大きいおもちゃが当たるといいな、どきどきしながらくじを引く。でも、思うようにはいかない。欲しいおもちゃじゃないけど、あきらめるしかない。
私も子供の頃、駄菓子屋、お祭りでくじを引いた。あきらめなければいけないこともあるんだ、思うようにいかないこともあるんだと、こういう小さい経験から学んでいったような気がする。大げさだけどさ。くじは、はずれても仕方ない、そういうもんだと割り切っていた。
しかし、今回、店番をしていて、何かが違うと思った。あきらめない子が多いのである。欲しい物はぜったいに手に入れたがる。お小遣いがなくなるまで、くじを何度も引く子。景品をいらないとつっかえす子。景品を交換してほしいという子。いやだと駄々をこねて、私が折れるのを待つ子(折れないけどね)。
驚いたのは、母親が、子供をなだめるために、こっちのおもちゃにしてくださいとか(しないけどね…)、このおもちゃを売ってくださいとか…(売らないけどね)。たかが「くじ」だけど、ひとりだけ特別扱いするわけにはいかない。
親がそんなふうだと、不満な態度を示せば、ほしいおもちゃをもらえるかも…と、子供が思うのも無理はない。
くじ屋は、時代に合わなくなってきてるんじゃないか…と、こそっと思った。

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