2月3月の映画鑑賞メモ コーエンマジック!

2月
ロジャー・ドナルドソン 「世界最速のインディアン」,2005年,ニュージーランド
3月
コーエン兄弟「ノーカントリー」,2007年,アメリカ,TOHOシネマ
映画鑑賞サボってます。更新もサボってます(^◇^;)
アカデミー賞受賞作「ノーカントリー」。さっそく観てきた。久しぶりに、唸るような作品を観た。コーエンの最高傑作だと思う。アカデミー賞作品賞と言っても、コーエン節炸裂だし、キツイ暴力シーンもあるし(R15)、やっぱり万人ウケする作品ではないけれど。
コーエンの凄いところは、今回のようにしっかりした原作があっても、コーエンにしか創れない作品にしてしまうことだ。コーエンの犯罪ものはどれも素晴らしい。コーエンの犯罪ドラマは、とても論理的に展開される。なのに、最後は非論理的で、運命なんて分からないという空しい感覚が残る。
以前の、例えば「ミラーズクロッシング」「バーバー」などでは、暗喩的で、美しい絵画的映像を入れることがあって(私は好きなんだけど)、夢にうなされるような浮遊感を漂わせていた。「ノーカントリー」では、そうした優雅な映像はあまりない。しかし、その分、冗長なところがなくなり、緊張感がより一層高まって、完成度の高い作品になったと思う。
「ノーカントリー」では、重要なところはぜんぜん見せない。でも、よーく観察すれば、推理できるというディテールフェチ的なカットや演出には、ホントにしびれる。これまでのコーエンと比べても、そんなに難しい映画ではないと思う。
それから、原題「No Country for Old Men」から、「for old men」を取るのはマズイでしょう…と思ったのは、私だけじゃないはずだ。
ホントに久しぶりに興奮する作品だった。これはもう1回観に行くかもしれない。
diaryに、早く載せられるよう頑張って更新します…。

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