ひとり合宿 in 越後湯沢

越後湯沢の某スキー場で、1月末に、2泊3日のひとり合宿をする。シーズンはじめは、多少、お金はかかっても、ひとりでプライベートレッスンを受けることにしている。今回は8時間のレッスンを受けた。
1日目午後 
プルークボーゲンでの足の曲げ伸ばし
今年はじめてのスキー。まずはプルークボーゲンで板にしっかり体重をのせる練習から。
結局は、基本ポジションをキープし、しっかりと板を踏んで体重移動をするということなのだが、それを導くためのアドバイスは、先生によっていろいろ工夫がある。これまでは、谷になる足の足首と膝を曲げて、体を谷に倒すようにして、体重をかけるというアドバイスが多かった。しかし、私の場合、膝を一生懸命曲げても、間接が内側に入ってしまって、板を踏めない、お腹が折れる、お尻が引けるいう欠点が修正できず、先生によっては、何でこんな簡単なことができないの?とあからさまな態度を示す人もいるのだった。はぁ~。
しかし、今回の先生は、”曲げ”よりも、抜重の時の足の伸ばしを意識するように言われる。腰は常にブーツの上。伸ばす時に、臑がブーツの前面にあたるように伸ばし、ブーツに当たった状態をキープしながら、膝ではなく、足首から曲げる感じ。臑をブーツに当てるには、上体を前方へと出さなければならない。これを何回か繰り返すうち、完璧ではないが、重心が前へと矯正された。よく、上手い人から、親指の付け根に体重をかける感じと言われていたが、その感覚も分かってきた。今まで、ポジション自体が悪かったので、親指あたりにどう体重をかけて良いかすら分からなかったのだ。膝は、まだちょっと内側に入る。でも、板を踏む足裏の感じがつかめるようになり、板に走られているというより、自分で板をコントロールする感覚が少し出てきた。
そして、足をしっかり伸ばして谷に板を落とし、足首から曲げられるようになると、特に意識しなくても、ターンでハの字の角度が小さくなり、板が自然と板が揃い始める。自分ではプルークボーゲンで滑っていたつもりなんだけれど、先生に板がもうほとんど揃ってきたよと言われる。
緩斜面パラレル中回り
後半は、緩斜面で板を揃える練習。足の曲げ伸ばしはそのまま、今度は、ハの字にしていた板を、意識的に並行にするだけ。先生の後を、先生と同じタイミングで足を曲げ伸ばしして、ひたすらついていく。
今回の××先生は、今までに習ってきた先生なんかと比べものにならないくらい、とにかく滑らせるのであった…。大体は、先生がお手本を見せて百メートルくらい降りていく。先生が合図したら、同じように降りていき、いろいろ注意してもらう。
しかし、××先生は、リフトで上がって、上の方でちょっと練習すると、あとは同じタイミングでついてきてーと、下までほぼノンストップで下っていく。これはハードだが、かなり練習になった。
××先生が言うには、あそこが悪い、ここが悪いなんて注意しただけでは直らない。大体の人は、頭で分かっていても、体は簡単に直せないのが普通。できるようになるには滑り込むしかない。その時、ただむやみに自己流で滑り込むのではなく、上手い人の滑りを間近で見ながら、曲げ伸ばし、ストック、リズム、ターン弧までまったく合わせて滑っていくのである。もちろん、私は下手なので、タイミングがずれたり、転けそうになったりする。最初は人に合わせて滑るってしんどいなと思っていたが、いつのまにか先生の形を見ながらリカバリーし、なにがダメなのか考えながら滑っていた。
2日目午前
中斜面での横滑り
昨日よりは、もうちょっと斜度のあるところで、横滑りの練習。横滑りは、フォールラインに対して板を垂直にし、腰をひねるように上半身を谷に向け、腰を落とし、エッジをゆるめる。と、板は体の向けた方向へずれながら落ちていく。パラレルターンの始動と終わりで、横滑り状態になるため、重要な練習なんだと思う。しかし、慣れない者には難しく、これがまた地味ーーーな練習なため、辛い。横滑りができなくても、パラレルターンができる人は自然とこの形を作るらしいが、先生に言わせると、できる人と出来ない人では、急斜面や不整地の滑りに差が出てくるらしい。
今までのレッスンでも何度か練習したことがあるが、私はちっとも出来ない。エッジが引っかかったり、横に滑らずに前へ行ったり、後ろへ行ったり。ふー。今まで、1センチも動かなかったのに、今回、50センチぐらいは動くようになったのは、多少の進歩か。でもやっぱり難しい。
中斜面でのパラレル中回りとストックワーク
緩斜面の時より、板のずらしを意識しながらパラレルで練習。ストックワークもつけていく。受話器に耳を近づけるような感じで構え、手首を柔らかくし、伸び上がってからつく。つくと言うより、振るという感じかな。今まで、私は伸び上がりと同時のタイミングでついていたが、先生から早いと注意をうける。
先生の「1,2,3」のかけ声とともに、ひたすら、真似をしながらついていく。真似して無理矢理ついていた感じが、3回に1回ぐらいは、自然なタイミングで、無理なくストックがつけるようになった。こういう良い感じが、連続しないのが悔しい。
それと、ストックの構えを意識すると、上半身が谷へと傾くことに気づく。今まで、さんざん谷に倒せと言われ続けつつも、出来なかったことが、ちょっとづつだが、コツがつかめてきた。
2日目午後
中急斜面でのシュテムターン
最近は、プルークからパラレルという指導が一般的なんだそうである。ただし、やはり急斜面など、どんな斜面でも安全に降りられる滑り方として、シュテムターンを教えるらしい。
まずは、中斜面でシュテムターンのコツを習い、中急斜面へ。大回りで、スピードを制御しながら、ゆっくり降りていく。しかし…、ちょっと斜度が急になると、ポジションが崩れてしまって、重心が後ろ、谷に体重が十分かけられないという欠点が出てしまうのである。自分でも分かるが、スキー板が走り、出したくないのにスピードが出てしまう。ストックワークなんてぶっ飛んでしまった…。先生に合わせて滑るどころか、降りるのがいっぱいいっぱい。
それでも繰り返すうちに慣れてきたが、先生が無理と判断したのか、3回ほど降りると、緩斜面へ移動してしまった。
緩斜面でのパラレル小回り
緩斜面で、パラレル小回りの練習。いままで、1回のターンを「1,2,3」のリズムで滑っていたが、今度は「1,2」のリズムで滑っていく。ターンの切り返しがちょっとでも遅れると、もう、どんどん先生のタイミングから、ハズれていく。リカバリーしては合わせ、リカバリーしては合わせ…していく。リズム良く連続して滑るというのは難しい。
3日目 午前
とにかく滑りまくる
最後のレッスン日。今までの総仕上げ。とにかくリフトに乗っては、先生の後を同じ滑りでついていく。休憩ほとんどなし。先生が言うには、休憩はリフトでする。そんなに大きいスキー場ではないが、全部のリフトを数回づつ乗りつくした。先生は見てないようだけど、リフトに乗ると、こうした方がいいとかアドバイスしてくれる。いつ見てるんだ?…。そして、また一気に降りていく。
最後は、一番高いところから、低いところまでノンストップ。距離にして、約4キロあるそう。中急斜面をシュテムで、中斜面、緩斜面をパラレル大回り、中回り、小回りを駆使しながら、一気に降りていく。下に降りた時は、ぜーぜーはーはー、足はがくがく状態であった。しかし、こんなに充実感ある滑りをしたのは初めてだった。上手くできたか、どうかは別にしてね。
今までは、上手く滑るために、ちょっと滑っては考え、ちょっと滑っては考えというのが、私の練習だった。しかし、考えるより滑り込むこと。連続して、リズム良く滑ることが、上達には重要だという、考えてみれば当たり前のことを、徹底して教えてもらったと思う。
今回のレッスンは充実していた。はじめて、また教えてもらいたいという先生と出会った。来シーズン最初のひとり合宿もまたここに来ようかな。
今年は良い感じでスタートできたし、頑張るぞ!。

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