4月の映画鑑賞メモ

ジャン・ピエール・メルヴィル 『影の軍団』,1969年,フランス,DVD

ジュノー・シュウォーク 『ある日どこかで』,1980年,アメリカ,DVD

ロベール・ブレッソン 『抵抗』,1956年,フランス,岩波ホール

ルイ・マル 『さよなら子供たち』,1987年,フランス,DVD

>『影の軍団』
レジスタンス闘士が登場人物だが、レジスタンス活動は全く描かれず、組織の内輪もめばかり。密告→投獄→救出作戦→密告者制裁→組織の厳しさにビビッた別のやつが密告→以下繰り返し。やってることが非生産的で、自滅していくだけなんだもん。お前ら、何やってんの?と問い詰めたくなる。フィルム・ノワールとしての演出は見事だけど。

>『ある日どこかで』
ご都合主義のところもあるが、小さな伏線が効いていて、素敵な作品。時を隔てた二人の恋が、ロマンチックに描かれる。小道具やマシンを使わずに、精神力でタイムスリップというアイディアは、単純だけど、斬新なような気もする。それができるのは、主演クリストファー・リーヴが実はスーパーマンだからかも(笑)。音楽がとても良く、伏線としても印象的に使われる。ラフマニノフの「パガニーニの主題による変奏曲第18変奏」、ジョン・バリーによるテーマ曲。なんて美しく、切ないんだろう。

>『抵抗』
脱獄もの。ストイックで生真面目のブレッソン監督に、こんなにハラハラさせられるとは思わなかったよ。地味だし、言葉も少ないけど、研ぎ澄まされた映像で語るんだよなーこの監督は。『大脱走』とは正反対の面白さ。

>『さよらなら子供たち』
無邪気な子供の世界にも、戦争や大人の汚さが影を落とす悲しさ。ルイ・マルの傑作。
しかし、このHDリマスター版はいまいち。コントラストが強すぎて、黒がつぶれている。スクリーンで見た時の、光量を抑えた青ざめた美しい映像が暗くて何が何だかわからなくなっていたのは残念。うちのテレビがブラウン管だからか?。HDMIで、ハイビジョンで見たら、もっと綺麗なのかしらん。

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