6月の映画鑑賞メモ

三谷幸喜『ザ・マジック・アワー』,2008年,日本,DVD

三谷幸喜ファンなのに、今さらである…。演技している人と、真面目な人の掛け合いが面白い。伏線を効かせたシナリオはさすが。
発見もいろいろ。たぶん、役名は歌舞伎から。富樫=勧進帳、ボス天塩=仮名手本忠臣蔵の塩谷判官。となると、アイディアは『勧進帳』か。義経=妻夫木聡を救うために、即興で一芝居うつ弁慶=佐藤浩市。
コメディ映画『知らなすぎた男』の影もちらつく。この映画は、演劇ゲームに参加したつもりが、本物のミッションに巻き込まれていた勘違い男の話(オススメ)。コメディ名優ビル・マーレイの代表作。
シーンのなかにもギャング映画のパクリへのオマージュがいくつか。ボス西田敏行と向かい合って、左右に市長と警察署長というあの構図。コーエン『ミラーズ・クロッシング』のワンシーンそっくりそのまま。
いろんなエッセンスをごっちゃまぜにして、三谷流に面白くしてしまうところが素晴らしい。キャストも良かったな。とくに西田敏之のボス。どうやっても怖くならなず、コメディになってしまうところが。

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『6月の映画鑑賞メモ』へのコメント

  1. 名前:teoria21 投稿日:2011/07/04(月) 06:25:26 ID:e8abb251b 返信

    「ザ・マジックアワー」よかったですね。
    「このシーンはきっと何かの映画のパロディだろうな」と推測はできたけれど,そこまで明瞭には原典(出典)がわかりませんでした。
    「どうやっても怖くならなず、コメディになってしまうところ」とは仁義なき戦いシリーズでの金子信雄さんを連想してしまいました。
    洋画ファンと邦画ファンの違いでしょうね。
    「マジックアワー」」という素敵な言葉も覚えたし。
    三谷作品を紹介していただいて,ありがとうございました。
    またここには時々遊びにきますね。

  2. 名前:shimi 投稿日:2011/07/04(月) 09:12:49 ID:ac9e6d7be 返信

    コメントありがとうございます。
    三谷幸喜が映画好きとは知っていましたが、
    この映画を見て、本当によく見ているなぁと思いました。
    私も原典がぜんぶ分かったわけではありません。
    いろんな要素を取り入れながらも、
    三谷幸喜にしか書けないおもしろさにしてしまうところが好きです。
    更新は恐ろしく遅いです。
    夏は忙しくなりそうなので、さらに滞りそうです(;^_^A 。