パソコンの難しさ

実家のパソコンの調子が悪くなり、母が新しいパソコンを欲しいと言い出した。電話するたびに、その話ばかり。確かに、もう6,7年は使ってるし、ネットは重いし、買い換え時かなと思った。
母は70才間近で、パソコン初心者。教室に数ヶ月通い、メール、インターネット、ワードでの文書作成、写真の保存、葉書づくりがやっとできるぐらい。習ったやり方でしか扱えず、他の方法なんかをヘタに教えると混乱する。トラブルには、まったく対処できない。つまづけば私にすぐに電話してくるし、何度も同じ事を聞かれるとイラッとすることもある。電話ごしに「それ、昨日、教えたでしょー (。`Д´。)ノ 」と大声になることもしばしば。しかし、年を取れば取るほど、新しいことをはじめたい、何か学びたいという気持ちは尊重したいと思う。

四十過ぎたら親孝行に待ったなし。このぐらいは…と思い、強行スケジュールで実家へ帰り、母のパソコンを買い、設置や接続やデータ移行までやって、さぁ帰ろうと思ったら、母曰く「ぜんぜん、わがんね」…orz。
新しいパソコンは、「Windows7」で、メールソフトは「Windows Liveメール」。それまでは「XP」と「Outlook Exspress」。慣れた人なら勘で操作できても、母のような習った通りにしかできない初心者には、「7」も「Windows Liveメール」も、画面が違っただけで、パニックなのであった。
とりあえず、メールとインターネットの最低限のことを教え、帰ってきたのだが、以後、毎日のように電話かメールがくる。「メールが保存できない」、「メールの削除が分からない」、「お気に入りの登録が分からない」…、時々「ブログを見たままインターネットしていいのか?」とか…意味不明な質問も(←どんなトラブルかが、自分で説明できない)。

高齢者のパソコンの壁はここにあったかと、実感する。時間がすこしかかるけれど、パソコンの操作は覚える。しかし、やっと使えるようになった頃に、パソコンは次世代へと移っている。最初からやり直し。。。しかも、どんどん複雑になっている。例えば、「Vista」→「7」とOSが変わるごとに、パソコンをもの凄く使いこなせる人には便利な機能でも、普通の人には余計なお世話的機能がどんどん付加されていく。その機能が不必要なら、無視して、覚えなくても別に良いのだが、設定や操作は新しい機能の分、複雑になり混乱しやすい。OSが変わる、ブラウザがバージョンアップする、こんなきっかけでパソコン挫折する人は多いのではないかと思う。母は、「7」を教えてくれる教室にまた通うと言っているが…普通に利用する人(何か特別難しいことをしようとしているわけではない)に、こんな負担を強いる機械って、なんか解せない。
先日も、近所の奥様(母と同じ世代)とちょっとお話ししたのだが、パソコンが普及しはじめた頃、こんな難しい機械は絶対に流行らない、いずれもっと簡単になるはず…と思っていたが、今でもぜんっぜんっ分からないわ~とおっしゃっていた。

高齢になるほど、こういうパソコンや情報機器をうまく活用すれば世界が広がると思う。しかし、なぜそういう高齢者に使いやすいパソコン環境がいまだに出来ないんだろう。余計なお世話的機能が少なくて、シンプルな定番のOSやソフト、しかもサポートも長期間対応できるようなもの。今、私は、パソコンや情報機器に関しては解説書などを読めばトラブルなどは概ね自分で解決できるが、これから年を取ってから、ますます複雑化する情報機器について行けるかどうか、自信がない。
パソコンのソフト開発者って、もしかしたら、機能を増やすこと、小難しく、複雑にすることに無上の歓びを覚えて、一般家庭で使う人の感覚とズレてんじゃねーの?と、思いたくもなる。。。


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