艶干し錦玉で春を味わう

艶干し錦玉なんて、んまぁ色っぽい名前だわーと思ったのは私だけかもしんない(笑)。干し琥珀ともいう。

艶干し錦玉は寒天の干菓子。ある老舗菓子屋の艶干し錦玉をいただいたのだが、これが感動的な美味しさだった。見た目は磨りガラスのよう。外側は薄氷が割れるようなシャリッとした食感だけど、内側は柔らかでみずみずしい寒天。口のなかでシャリプルッと崩れ、じっくりと味わって喉を通すと、微か~に薄荷の香りがのぼってくる。ものすごく繊細。

これ、どうやって作るんだろう?とググってみると、思いの外簡単だった。寒天液と白ざら糖を煮詰めて固め、数日間干して、表面の糖を再結晶化させる。これなら目をつぶっても作れるぜと、思ってしまうところがど素人である。パン作りもそうだけど、単純な作り方の菓子ほど難しい。ちょっとしたコツやさじ加減が、完成度を大きく左右するからである。いざ作りはじめると、寒天液の煮詰め具合、流す寒天の厚み、干し方、干す温度…など微妙な加減がまったく分からない。とりあえず、勘に頼って作ってみたのがコレ↓。季節柄、桜風味にアレンジ。桜フレーバーとピンクの食用色素を数滴混ぜ、塩漬け桜(塩抜きしてから)を散らしてみた。

120409higashi.jpgたぶん、寒天液を煮詰めすぎたのだと思うが、表面の糖が厚くて不均一。そのうえ寒天を薄くしすぎたために、ジャリジャリとして、みずみずしさにとぼしい。見た目も味もおおざっぱ
とはいっても、ど素人が老舗菓子屋レベルのものを作るのは、無理というもの(←言い訳)。家庭で作る和菓子としては、そこそこ美味しいのではないかと(←開き直り)。例えるなら、深窓の令嬢のような美しさ・繊細さはないけれど、田舎娘のような大ざっぱな可愛らしさと味わいがあるわ!(←論理の飛躍)。

筆が滑ってしまったが。。。
艶干し錦玉は、品の良い甘さ以外はそれほど主張がない淡泊な菓子なので、緑茶にはもちろん、紅茶にもよく合う。
茶道を嗜む友だちから、せっかくだから薄茶を点ててみたら?とアドバイスをもらい、慣れない手つきで薄茶を点ててみた。薄茶といっしょにいただくと、大ざっぱな菓子が何十倍も美味しく感じる~shine。やっぱり干菓子と抹茶という伝統的な組合せは最強。抹茶茶碗がなかったのでカフェオレボールだったけど(しかも100円ショップの・汗)、日本らしい季節感をしみじみと味わうことができた。

艶干し錦玉は日持ちもするし、季節や好みにあわせて、形や色など様々作ることができるので贈り物にも良いかも。また作ってみようっと。

2014.7.4 【追加】
「艶干し錦玉 つくり方」で検索して私のBlogに来てくださる方が多いので、レシピを載せることにしました。↓ は、Webで拾ってメモしておいたレシピなんですが、参考にしたページがどこだったか分からなくなってしまいました。ごめんなさい<(_ _)>。

(材料)
水 300cc
白ざら糖 500グラム
寒天 8グラム
(私は棒寒天で作りましたが、糸寒天の方が作りやすいみたいです)
香料など

(作り方)
寒天を水につけて、一晩ふやかす
寒天と水を火にかけて、完全に溶かす。
白ざら糖を煮溶かす。弱火。105度。10センチぐらい糸が引くぐらいまで。
香料、色づけ
バッドに流し入れ、固める。型にオーブンシートを敷くと扱いやすい。
型で抜くか、適当な大きさに切り、網の上で乾かす(数日)

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