アルカスイス互換へ改造

前回、「アルカスイス互換って何だ?」(2014.6.11)のつづき。いよいよ改造編。

今まで、年配の方から譲り受けた年代物のジッツオの三脚を使っていた。アルミ製で、雲台付けると約3キロ!。頑丈なのは良いんだけど、華奢な女子には(←私のことですが、何か?)重すぎて、なかなか持ち歩く気になれなかった。そこで、Yバシポイントも貯まったことだし、軽くてコンパクトな三脚へ買い換えた。
ジッツオ バサルトGK1880CQR
三脚キット シリーズ1/コンパクト/脚GT1840C+雲台GH1781QR

10年前に発売されたシリーズで最近生産中止になったけど、残り少ない在庫を確保。古いモデルとはいえ、バサルトは発売以来ずっと人気も評価も高かったし、軽くて丈夫、オレンジ色がアクセントになったデザインもオサレ。

これをアルカスイス互換へ改造することに。まずは改造の過程から。

 クランプ
もともとの雲台GH1781QRにセットされていたクランプとプレートは上の写真。まずこのクランプを雲台から取り外し、 SUNWAYFOTOのジッツオ専用アルカスイス互換クランプ/型番DDC-G1に交換した>下の写真。Yバシのネットショップで7290円で購入。最初からこれが付いてた?と思うぐらい違和感なく装着。


SUNWAYFOTOは中国のメーカー。SUNWAYFOTO以外ではBENRO(中国)、Markins(韓国)、RRS(たぶん米)、KIRK(米)などが、アルカスイス互換の雲台、クランプ、プレートを種々出していて、お手頃価格なうえに評判もまずまず。(社名をクリックすると、正規輸入代理店サイトか、直販サイトへ飛びます)。
注文する時、中国メーカーというところに不安はあった。しかし、ほとんどの雲台メーカーがクランプをネジ1本で固定しているのに対して、ジッツオのクランプは三本ネジという変わり種なので、アルカスイス互換に改造する場合、ジッツオ専用が必要になるんだけど、そういう痒いところに手が届く製品を作ってるのはSUNWAYFOTOだけだった。で、とりあえず注文してみたのだが、意外に、精密で丁寧な作りにビックリ。実際に製品を手にとってみて、中国メーカーがアルカスイス互換という世界市場の流れにすばやく対応し、こんな精密な製品を出せるようになったら、いまだ自社のクイックシューに固執してる日本メーカー、マジ やばいんじゃないの?…ちょっと心配になったぐらい。
メーカーによっては、クランプだけを取り外せない構造のものあるので、その場合は雲台ごとアルカスイス互換に交換する必要がある。

 L型プレート
一方で、カメラ側に取り付けるアルカスイス互換のプレートを探す。クイックシューのプレートというと、一般的にはカメラの底に付く小さな長方形のフラットプレートだけど、私が使いたかっ たのはL型のプレート。このL型プレートは写真のようにカメラの底と左側まで覆う形になっている。このL型プレートが使えるってのが、私にとってはアルカスイス互換の一番の魅力だった。L型プレートの威力発揮は後ほど触れるね。
L型プレートは、各機種のボディサイズに合わせた専用のものが使いやすい。できればクランプとプレートは同じメーカーにした方が良いということだが、SUNWAYFOTOはCanonEOS/5DMarkⅡ用のL型プレートは作っていなかったので、調べたところKIRK、Makinsなど何社かが作っていることが判明。レビューなどを参考にKIRKのBL-5D2を購入した。これはちょっと高くて1万7千円ほど。KIRK社製品はスタジオJinというショップが正規販売店になっていて、日本ではここでしか扱っていないみたい。私もスタジオ Jinで購入。
このプレートの重さは106グラム。私はボディにL型プレートを付けっぱなしでも重さもあまり気にならないし、手持ち撮影してもそんなに違和感ないかな。気になるという人もいるので、この辺は個人差があるかも。
写真上はKIRKのCanonEOS/5DMarkⅡ専用のL字型プレート、写真2番目はSUNWAYFOTOのクランプにスライドさせてはめてみたとこ。写真下はボディに装着したとこ。


アルカスイス互換のプレートは、カメラボディがそんなに古い機種でなければ、各ボディ専用プレートがどこかから出ている。専用プレートだと、バッテリーの交換、種々ケーブルの差し込みなどがプレートを付けたままでも出来るように設計されている。専用がない場合は、ピッタリとはいかないかもしれないけど汎用(ユニバーサル)型という手もあるよ。

 いよいよ完成
そして、百聞は一見にしかずで、下の写真を見てくださいませ。




私がアルカスイス互換+L型プレートにこだわったのは縦位置での安定性。非アルカスイス互換やフラットプレートだと、カメラを縦位置にセットするには雲台のボールを90度倒さなければならず、クランプが地面にたいして垂直になり安定性も悪くなるし、ファインダーの位置も変わってしまう。とくに一眼レフのような重いカメラ+非アルカスイス互換クイックシューでの縦位置だと、カメラ、地面に落ちないよね…とチョット不安になる頼りなさ(しっかり留めてればまず落ちないですが)。しかし、アルカスイス互換のL型プレートだと、横位置とほぼ同じ安定とファインダー位置が得られ、セットもしやすいという一石三鳥!!!。私は縦位置をよく使うので、このL型プレートのよる縦位置セッティングの画像をネットで見た瞬間、すげー何これ、画期的!と一目惚れしてしまったのだった。この縦位置のためにアルカスイス互換に改造したと言ってもいい。
クランプとプレートが違うメーカーだけど、隙間もガタもなくピッタンコ!。びくともしねぇよ。不満があるとすれば、プレートに中心位置を出す目印がついているのだが、KIRKはうすーく筋が掘ってあるだけで、とっても見にくい。なので白サインペンでマークを付け直した。

 おまけ 一脚編
三脚を新しくして、三脚ばかりに目が行ってたが…。この記事を書いてる途中で、気がついたこと。
手持ちの一脚をアルカスイス互換にする利便性の方が大きいんじゃねぇの?。
私は一脚を持ち歩くことの方が多いし、一脚は、三脚以上に縦位置の調整がめんどくて、不安定で、使いにくいのよ。一脚をアルカスイス互換改造した方がぜんぜん良いじゃん…と思って、使用中のVelbonの一脚を確認したところ、ちっ!クランプが取り外せないタイプだったぜ。
そこで雲台からアルカスイス互換に交換。SUNWAYFOTOのFB-28i。価格は店によってばらつきがあるけど概ね1万円前後。

 改造を終えて
ネジなめたらどうしよぅーとか心配はあったけど、どうにかこうにかできたよ。これで脚まわりは完璧。格段に使いやすくなったうえに、新しい流れにのった良い改造だったと思う。いろいろ勉強にもなったな。
それじゃあ、新しい三脚と望遠レンズで、去年撮りそびれちゃった古代蓮でも撮影しに行くかな(^^)。

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