テナーリコーダーでアンサンブル

  昨年テナーリコーダーを購入したのですが(2021.9.14「リコーダーを買う テナー編」)、予想はしてたけどソプラノ・アルトに比べると難しいわ。息がソプラノリコーダーの倍以上必要な感じ。太く安定した息を入れないと、良い音が出ないし、音程も不安定になる。ブレスも増えるし、息たくさん吸おうとすると曲切れるし(>_<)。まだまだ課題は多いのですが、テナーを使って多重録音してみたよ。

『アヴェ・ヴェルム・コルプス』 K.618

W.A.Mozart
Soprano1,Soprano2,Alt,Tenor

【楽譜】磯崎淳博編『リコーダー・カルテット クラッシク編2』,東京音楽書院(絶版)

 モーツァルトが死の半年前に作曲した賛美歌。オリジナルの編成は混声4部合唱。妻コンスタンツェが体調を崩し、温泉地バーデンで保養した時に、彼女の滞在先を世話してくれた合唱指導者の友人にお礼として書かれた曲とのこと。モーツァルトは自分に死が迫っていることを悟っていたのか、この世の苦しみから解放され、天上に導かれることへを切に願っているような美しい旋律です。

 4パートの多重録音は初めて。この曲は ソプラノ1を他の3パートが繊細な和音で支えているのですが…。リコーダーは音程が不安定な楽器で、チューニングしても、このリコーダーのこの音は高めに出るとか個体差もあり 、それが4パートともなると音合わせがさらにシビアになり、音の調和に一番気を使ったかな。それでもちょっと微妙な和音があるのよ(涙)。

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『イタリア風グラウンドによるディヴィジョン』(イタリアングラウンド)

Robert Carr
Alt,Tenor

【楽譜】渡辺清美『リコーダーが美味くなる方法』,自由現代社。この本に掲載されていたソプラノ・アルト用の「イタリア風グラウンドによるディビジョン」をアルト・テナー用に書き換えました。

 この曲は、リコーダーが超流行していた1700年頃、ロンドンで出版された『Division Flute』というリコーダー楽譜集に入っていた曲です。他にも良い曲がたくさんあるのですが、この楽譜集によって「イタリアングラウンド」や「グリーンスリーブス」が広く知られるようになったみたい。

 私も前からこの曲は練習したいなーと思っていたので、今回「イタリアングラウンド」をアルト&テナーリコーダーで演奏してみたよ。
 「イタリアングラウンド」、運指はそんなに難しくないです。しかし、憂いを帯びた旋律を引き立せるには、技術も要るし、気をつけなきゃならない細かいポイントがありすぎて、吹けば吹くほど難しさを感じてしまったわ。装飾音をたくさん入れて演奏されることが多く、私も入れられるところは入れてみましたが、微妙…。この曲がリコーダー吹きに愛されてきたのは、旋律が良いというだけでなく、表情をつけるのが難しくて、工夫しがいがあるからなのかも。
 愛され曲だけあって、You Tubeにはプロやリコーダー上級者による「イタリアングラウンド」の素晴らしい演奏がたくさんUPされているのですよ。そんななかでですよ、限定公開とはいえ、こんな拙い「イタリアングラウンド」を公開していいものか…とちょっと躊躇したわ。しかし、 

作ったネタを無駄にしたくない!

恥よりこの浅ましい気持ちが勝ちました(笑)。この曲は自分でもまだまだだなぁと思います。またいつか録音してみたい曲。

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