サリエリ先生に捧げるヴィーナスの乳首

 いやーん。タイトル入力中にうっかり妄想を膨らませてしまったshimiです、こんにちは!。安心してちょうだい、エロい話じゃなくてよ。お菓子の話よ。映画に出てきたお菓子を作ってみよう!の第5回目。第4回「バベットに捧げるクグロフ型サヴァラン」は2017年だったから5年ぶりの投稿ね。

こじらせ男のスイーツ

 何十年かぶりに映画『アマデウス』を観ました。1984年、監督ミロス・フォアマン。凡人作曲家サリエリの視点から天才モーツァルトの生涯が描かれるのですが、「ヴィーナスの乳首」っていうお菓子が出てきたんです。

天才モーツァルトと凡人サリエリ先生

 サリエリ先生は真面目なので、一応、宮廷お抱えの音楽家として成功しているものの、自分に才能がないことはよく分かっていて、↑見ての通り暗いし、女性にモテないし、モーツァルトへの嫉妬で心もひねくれちゃってます。そんなサリエリ先生のところに、お金に困ってるモーツァルトの妻コンスタンツェが、夫に仕事くださいって頼みに行くシーンがあります。サリエリ先生はコンスタンツェに「これはヴィーナスの乳首っていうお菓子です。マロンがはいっているんですよ、美味しいですよ、どうぞ。」と勧めるんですね。そして、コンスタンツェが持ってきたモーツァルトの直筆楽譜をみて驚愕するんです、書き直しの跡がまったくなく、自分には絶対に思いつかない素晴らしい音が次から次へと溢れ出していることに。

 女性に縁がないサリエリ先生が「ヴィーナスの乳首」を食べていることも、それを若くて可愛いコンスタンツェに、わざわざ「ヴィーナスの乳首」ですよ~と言ってとオススメするのも、何か哀れ。。。1700年代末頃だからお菓子はセレブしか食べられない贅沢品。サリエリ先生は地位もお金もあって「ヴィーナスの乳首」をいっぱーい買うことはできても、才能も女性も手に入れられないのですよ。サリエリ先生のコンプレックスを表現するのにピッタリのお菓子よね。 

「ヴィーナスの乳首」arr.by shimi

 「ヴィーナスの乳首」はオーストリア、ザルツブルグの銘菓で、マロンフィリングをホワイトチョコレートでコーティングしたもの。フィリングは、マロンペーストとマジパン(アーモンドパウダーをシロップで練ったもの)が一般的らしいですが、特に決まりはないみたいで、マロングラッセ、ガナッシュなどいろいろ種類があるみたい。

 作ってみましたよ。4回目でやっと理想の乳首に近づきました(笑)。マロンペースト、マロングラッセ、マジパン、ガナッシュをメインに、いろいろ組み合わせて試作したのですが、どの素材もかなり甘く、そこに甘いホワイトチョコをコーティングすると、激甘になり、甘党の私も撃沈するほど。。。オーストリアの伝統菓子ってかなり甘いから、これでいいのかなぁと思いましたが (そもそも本物を食べたことないのに作ろうとしてるのが無謀なんですが)、やっぱり美味しくしたいので、アレンジしてみた。 できたのがコレ。

  • アーモンドパウダー入りスポンジケーキを砕いたもの 
  • マロンペースト(サバトン社) 
  • 生クリーム 
  • 溶かしたホワイトチョコレート 
  • 栗の渋皮煮を刻んだもの 
  • ラム酒少々 

 これらを混ぜ合わせてラップに包んで一口大に丸めて、ちょっと冷やし固めて、ホワイトチョコでコーティング。

まぁまぁ、美味しい。

 ”まぁまぁ”って…(^^ゞ。甘さもほどよく、栗の味もしっかりあり、これはこれで美味しいです。でも、いろいろ作ってみて、マロンはやっぱり苦みのあるビターチョコの方が合うのでは?疑惑が浮上。これも、カカオ50~60%くらいのチョコレートでコーティングしたらもっと美味しくなるんじゃないかなぁ。そういう意味で”まぁまぁ”。しかし、

サリエリ先生が「白」と言ったら黒でも「白」!

なので、今回はこれで完成ー!ということにしたいと思います。shimi編曲による「ヴィーナスの乳首」 、サリエリ先生は気に入ってくれるかしら。

第1回 ランダ大佐に捧げるシュトゥルーデル(2014.5.20)
第2回 パッツィーに捧げるシャルロット・リュス(2014.6.22)
第3回 コニー姉さんに捧げるカンノーリ(2014.6.29)
第4回 バベットに捧げるクグロフ型サヴァラン(2017.2.19)

フォローする