山岳ものが苦手になってしまったトラウマ映画を40年ぶりに鑑賞。大人になって観てみたら大したことな……くはなかった(°°;)。ただ、思ってたのとは大分違ってた。
『聖職の碑』 1978年
監督;森谷司郎
出演;鶴田浩二、岩下志麻、三浦友和、地井武男
テーマは山岳ではなく教育なのね。木曽駒ヶ岳登山遭難事故 を通して、教育の本質を問うことに重点が置かれている。2時間30分の映画だけど、教育論争が1時間、登山~遭難が1時間、後日譚が30分。私は遭難のくだりはよく憶えていたけど、他の1時間30分はまったく記憶に残ってなかったのであった…。こんな熱い教育論が展開する映画だったのか(;゚ロ゚)!。
冷静に評価すると、冗長で、全体のまとまりが悪い、でも人物や自然の描写力はピカイチ(これは『八甲田山』にも通じるけど)。
山のシーンは、今見ても凄まじい。不穏な空気がじわじわ迫っていることを感じさせるカットや演出、嵐が吹き荒れる極限状態、パニックに陥り統率がとれなくなっていく様子に固唾を呑み、子供たちが顔面蒼白になりバタバタと凍死していくシーンは、やっぱり辛すぎた(T_T)。
『八甲田山』は軍人だし、上官がバカだし、そうなっても仕方ないよねと、自分とは無関係な遭難事故として見てられるけど、この映画は、校長先生が人格者で、準備も万全、指示も適切、何より児童の命を最優先しても、こんな結果になってしまった…というところに、自然の底知れぬ怖さをリアルに感じる。
結論を言うと、トラウマに完全敗北。克服はできなかったわ。やっぱりコレ、トラウマ映画だわ…山は怖いわ…と再確認したのであった。
志の高い教師たちが描かれるので、この映画を見て感動した先生が私の中学校にいたのだろう。だからといって、近々全校登山が予定されている中学校の映画上映会に、この作品を選ぶか?とは思うけど…、映画オタクにとって一生引きずるトラウマ映画は貴重な財産なので、これを見せてくれた先生にはお礼を言うわ、ありがとう!。
うん、うん、わかる、わかります。激しく同意。あれはトラウマになりました。
ご無沙汰してます。ゲゲです。
確か登山の時、電器屋のO君が鈴を持ってきていて、チリリン、チリリン鳴っていたような。校長先生と呼ばれていたような。
新田次郎の「八甲田山死の彷徨」は小説も読みましたし、映画もやってるとつい見ちゃうんですよね。いつか現地に行ってみたいです。なんか好きなんです。「聖職の碑」も新田次郎なんですね。ほんと忘れらない映画です。もう一度見てみたいと思ってましたが、流石にDVD買うほどではなかったので。きっと見たいと思ってる同級生他にもいるんじゃないでしょうか。鑑賞会なんてできたらきっと面白いね。