今年は自作 ちまき

110620chimaki.jpgF島市ではこれが作れないと嫁にいけないという「ちまき」(嘘)。

ふるさとの郷土料理である。この三角形のちまきは、F島、Y形、M城の県境あたりのごく一部地域、新潟でしか作られていない。餅米を笹で包み、茹でたもの。きな粉をたっぷりとつけて食べる。

旧節句の頃になると、F島市では、どの家庭でも手作りする。この時期、お弁当にちまきを入れてくる子がクラスに必ず2,3人はおり、それをだれも不思議と思わず、いいなーちまきだ!と、羨ましがるぐらいメジャーな食べ物である。笹や井草も普通にスーパーで売られている。
私が子供の頃は、祖母と母が大量に作り、束にして、神棚に何十個もぶら下げておいた。私たち兄弟は学校から帰ると、神棚から一つ、二つともいで、おやつに食べるのが楽しみだった。

今でも母は、毎年、山に笹採りに行き、たくさんこさえて、私に送ってくれる。しかし、今年は放射能汚染で笹も危ないから、作らないというのである。
今年は食べられらないとあきらめていた。しかし、よく行く製菓材料店で、乾燥笹と井草を見つけたので購入。不安はあったが、これでちまきを作ってみることに。
この時期の成長しはじめの笹は薄くてしなやかで、鮮やかな緑色をしている。ちまきが作りやすく、見た目にも美しい。しかし、この乾燥笹を茹でて戻してみると、成長しきってから収穫しているようで、でかくて、厚みがあって、色もいまいち。餅米を包みにくく、何枚か破けてしまったが、何とか作ることができた。
単純な料理だけど、やっぱり家庭の味がある。母のちまきは、笹の隙間から餅米がむにゅっと飛び出してくるほどギューギュー詰めるので、餅米がみっしりとくっつき合って、むっちむっちしている。私も母ゆずりの強欲なので(笑)、餅米をぎっしりと詰め、大きめサイズである。

笹の香りが弱いけど、やっぱり素朴でおいしい。笹には殺菌効果があり、ちまきは日持ちする。どこかにぶらさげておいて、子供の頃のように眺めつつ食べ、しばらく楽しもうと思う。

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