勇気と感動のアメリカ映画ベスト100

NHKBSで、「勇気と感動のアメリカ映画ベスト100」(2006年発表)という番組をやっていた。アメリカの映画関係者1500人が選んだ作品だ。ゲイリー・シニーズ、ジェーン・フォンダ、ドン・チードル、ウーピー・ゴールドバーグ、スピルバーグなど映画通俳優や現役監督、作品出演者などが、作品への思い入れを語りながら、紹介していた。
たぶん1位はアレだろうな~と思って見ていたが、やっぱりアレだった(軽く自慢)。私も大好きな作品である。ちなみに、ベスト30位は次の通り。
30位 「アラビアのロレンス」 デビッド・リーン 1962年
29位 「ガンジー」 リチャード・アッテンボロー 1982年
28位 「フィールド・オブ・ドリームス」 フィル・アルデン・ロビンソン 1989年
27位 「真昼の決闘」 フレッド・ジンネマン 1952年
26位 「オズの魔法使い」 ビクター・フレミング 1939年
25位 「サリヴァンの旅」 プレストン・スタージェス 1941年
24位 「緑園の天使」 クラレンス・ブラウン 1944年
23位 「ショーシャンクの空に」 フランク・ダラボン 1994年
22位 「打撃王」 サム・ウッド 1942年
21位 「夜の大捜査線」 ノーマン・ジェイソン 1967年
20位 「フィラデルフィア」 ジョナサン・デミ 1993年
19位 「ライト・スタッフ」 フリップ・カウマン 1983年 
18位 「アンネの日記」 ジョージ・スティーブンス 1959年
17位 「カッコーの巣の上で」 ミロス・フォアマン 1975年
16位 「ノーマ・レイ」 マーティン・リット 1979年
15位 「奇跡の人」 アーサー・ペン 1962年
14位 「戦場にかける橋」 デビッド・リーン 1957年
13位 「勝利への旅立ち」 デビッド・アンスポー 1986年
12位 「アポロ13」 ロン・ハワード 1995年
11位 「我等生涯の最良の年」 ウィリアム・ワイラー 1946年
10位 「プライベート・ライアン」 スティーブン・スピルバーグ 1998年
9位  「三十四丁目の奇跡」 ジョージ・シートン 1947年
8位  「ヤング・セネレーション」 ピーター・イエーツ 1979年
7位  「怒りの葡萄」 ジョン・フォード 1940年
6位  「E.T.」 スティーブン・スピルバーグ 1982年
5位  「スミス都へ行く」 フランク・キャプラ 1939年
4位  「ロッキー」 ジョン・B・アビルドセン 1976年
3位  「シンドラーのリスト」 スティーブン・スピルバーグ 1993年
2位  「アラバマ物語」 ロバート・マリガン 1962年
1位  「素晴らしき哉、人生!」 フランク・キャプラ 1946年
100位まで含めると、ジャンルでは、人種問題、伝記や実話ネタ、戦争社会派、スポーツものが多く、これに次いでファンタジーがなかなか健闘している。
それを反映してか、俳優では、黒人俳優のパイオニアであるシドニー・ポワチエ、モーガン・フリーマン、スポーツマンで正義の男ゲーリー・クーパー、ジェームス・スチュワート、社会派俳優ヘンリー・フォンダなどの出演作が目立つ。監督では、やっぱり社会派シドニー・ルメット、アメリカの良心フランク・キャプラが名を連ねる。スピルーバーグがベスト30位に3作品!は凄い。
これら作品を見て思うことは、弱者がはい上がる、最後まであきらめない、正義・人間としての誇りを貫く、というアメリカの国民性が見えるなぁということ。日本で同じ調査をすると、お涙頂戴作品が上位にくるような気がする。弱い者が頑張る映画もないわけではないが、頑張る人間の姿そのもので感動させるより、コメディにしちゃったり、逆境や、耐え忍ぶ健気なエピソードで涙を誘うことが多い。日本の感動作は、弱者への憐憫と優しさ。「蛍の墓」のような作品が上位にくるんじゃないかな。
ベスト100位で、見た映画は35本。ベスト30位では15本。そのなかで、my感動ベスト3を選ぶとしたら、「素晴らしき哉、人生!」、「カッコーの巣の上で」、「怒りの葡萄」。
ベスト100に入っていて、DVDを持っているのに見ていない作品「ホテル・ルワンダ」(90位)、「セルピコ」(84位)、「ライトスタッフ」(19位)あたりは、夏休み中に見ておこう。あとは、DVDを買うほど見たいとは思わないけど、いつかテレビでやらないかと期待している「ビューティフル・マインド」(93位)、「スパルカタス」(44位)、「大統領の陰謀」(34位)あたりも、気になるな。

フォローする