ゴールデンウィークパンまつり~サワー種編

「今日は元気ないねぇ、リフレッシュする?」とか、「おっ。寒いのに頑張ったじゃん」とか、最近はパン酵母と会話するというアブナイ領域に足を踏み入れてしまったshimiです、こんにちは!。
パン作りにハマってくると、やってみたくなるのがパン酵母の自家培養ですよね~。温度管理とか注意しなきゃいけないところはあるけど、うまく育てて、定期的に種継ぎ(リフレッシュ)すれば、長期間、元気な状態をキープすることができます。わが家にも1年以上前にレーズンから起こした酵母がおりますが、バンバン良い仕事をしてくれます(^^)。
そんなこんなで、私も自家培養パン酵母のご機嫌取りには自信がついてきたので(笑)、ゴールデンウィーク中に、ついに手間がかかるというサワー種に手をだ出しちまいました。今日はそのレポート。地味な上に超マニアックな内容だけど、パン酵母に興味なくても、実験報告として面白がってもらえたら幸いよ(^_-)。

サワー種について

教科書的に説明すると、サワー種はライ麦から起こすパン種で、乳酸菌や酢酸菌が多く含まれるのが特徴。ドイツパンによく使われます。乳酸菌や酢酸菌がライ麦パン独特の酸味や香りを作るのですが、それ以上に重要な事はライ麦比率が高いパンはサワー種じゃないとうまく焼けないってことなんですねぇ。その理由はライ麦デンプンの固まる温度とアミラーゼの活動温度に関わっているのですが、興味ある方はパン職人みちえさんのHP 「みちえのパン工房」>ザワータイク を参照にしてください。

なにも手間暇かけてサワー種を起こさなくたって、市販の粉末サワー種(サワー種を粉末にしたもの、酵母の活性はないので膨らませるのはドライイーストを使う)でも、そこそこ美味しいライ麦パンを焼くことはできるのですが…、やっぱりドイツパン好きとしては、myサワー種でパンを焼いてみたい!。ということで、念願のサワー種起こしに挑戦してみたよ。

サワー種を起こしてみた

調べてみると、サワー種起こしは、特に決まったやり方があるわけではないみたい。配合も時間も日数もバラバラ。みなさん、自分がやり良い方法で育てているよう。共通する点は、
①ライ麦と水で起こす、
②温度は25℃~30℃くらい(乳酸菌が育ちやすい?)
③低い温度だと酸っぱくなりやすい

ってことぐらいか。
私もこの3か条は守りつつ、いくつかの方法を参照にしてサワー種を起こしてみた。

1回目  4月30日17:00~5月1日13:00 

千葉県松戸市にある人気パン屋さんZopfのブログを読んでいたら、”サワー種は、起こしはじめは乳酸菌が少ないので腐敗しやすい。が、植物性乳酸菌を少し加えると失敗が減る”という情報を入手。良いこと聞いた!。
さっそく熱湯消毒した瓶に、ライ麦粉、ぬるま湯(35℃くらい)+少量の植物乳酸菌ラブレ(市販品)を投入し、かき混ぜる。ライ麦粉は細挽き、水は湯冷ましを使用。

ヨーグルトメーカー28℃、20時間後。
見た目:嵩が2倍くらいになり、小さい泡がポツポツ見える。
匂い:野菜の漬け物の乳酸発酵した匂いのような、ラブレの匂いも残っているうな…

2回目  5月1日13:00~5月2日0:30

ライ麦粉と水を追加投入。面倒なので、ここから水を水道水に変更ヾ(-ω-; ) 。

ヨーグルトメーカー28℃で約12時間後。
見た目:嵩が2倍くらい。表面に大きい気泡がポコポコ出ている。種は、起こしはじめよりトロトロして、グレーがかった茶からやや赤みのある茶色に変化。
匂い:酸っぱい匂いはするけど1回目よりちょっと弱い。ラブレ臭が完全撤退。
:舌の上で徐々に広がる酸味、最後の方に微かに苦み。

3回目 5月2日0:30~5月3日13:00

ビギナーズラックか! (゚∀゚) 、サワー種が育っているみたいなので、酵母と乳酸菌を増やし、種を鍛える工程へ。種を少しだけ取り出して、そこにライ麦粉と水を足して発酵させる。

ヨーグルトメーカー28℃で12時間後。
見た目:嵩が2倍弱、外側から見える気泡が大きくなってる。
匂い:酸っぱい匂いがやや強くなった感じ。
:酸味はやや強くなったけど、苦みは後から微かに感じる程度。

4回目~6回目 5月3日~6日 完成

ここからは3回目の工程を繰り返していくだけ。種を少し取り出して、ライ麦粉と水を継ぎ足し→発酵(28℃)10-12時間→嵩が倍ぐらい→冷蔵庫で休ませる→この種を少しとりだして…→以下同文。間引く種が出てしまうので、間引き種を少なくするため、4回目から少量で仕込むことに。
下の写真は6回目の種継ぎが終わった状態。28℃10時間ぐらいで2倍の嵩。もうちょっと勢いが欲しいところだけど、気泡も大きくなって、香りも味も酸っぱいけどツンツンしないまろやか~な感じになってきたので、よし、これで完成としよう。

ヴァイツェンミッシュブロートを焼く

いよいよこの種でパンを焼いてみる。いきなりライ麦比率の高いパンはハードルが高いので、まずはヴァイツェンミッシュブロート(Weizenmischbrotライ麦比率50%未満の大きいパン)から。今回はライ麦35%、全粒粉+準強力粉65%の比率。サワーの場合、補助的にイーストを使うレシピが多いけど、私はサワー種のみで。
最初からうまくいくとは思ってなかったが…。やっぱり慣れないパン種は勝手が分からない。パンに謎の穴ができてしまうという失敗を3回重ね凹むー(>_<)。うまく出来た時の写真と見比べると、目が詰まってるし、発酵不足か、酵母の力が弱かったか、あとは捏ね不足か、ですかねぇ。

発酵時間や温度、配合、水分量、焼成の方法を少しずつ変えて、やっと、これぐらいなら、ま、いいかと思えるところにたどり着いたよ。
粉末サワー種よりずっと美味しいけど、ちょっと酸味が強かったかな(酸っぱいパン普及委員会の私には許容範囲の酸っぱさですが)。発酵不足だと目が詰まるし、発酵を長く取ると酸味が強くなるし、難しいのぅ。サワー種修業はまだまだ続く…。
酸っぱいパンは甘いジャムともよく合います(^^)。

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