11月の映画鑑賞メモ

岩井俊二『リリィ・シュシュのすべて』,2001年,日本,DVD
思春期。ビクビクして、攻撃的で、友だちといると余計に孤独で、家に帰れば心酔する歌手に救いを求めている。幸運にして、私は映画のようなそこまで酷いいじめや、レイプ、殺人、自殺はなかったけど、あの頃の、いつも感じていた肌に刺さるようなヒリヒリした痛みはリアル。中だるみするのが残念。
監督は1963年生まれ仙台出身。育った場所と時代が近いからなのか、学校の廊下や、部活の後の会話、帰り道や、田園の風景…地方都市の雰囲気というか空気感というか、監督の描写の感性は、私の中高時代に感じたもの、記憶しているものとまったくといっていいぐらい同じ。例えば田んぼのなかで音楽を聴くシーンがあるんだけど、無人駅で、同じように風でうねる青い田んぼを見つめながらいろいろ悩んでいたこととか、郷愁といっしょに、あの頃の悶々がまざまざと甦ってくる。10代の頃に見ていたらトラウマ映画になったかも。蒼井優、市原隼人、忍成修吾が幼くてかわいい。まだ15,6才かなぁ。

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