あずきに沼った~粒あん編。

 あずき沼はまだ脱してないけど、そろそろパンやお菓子作りに戻りたくなってきたshimiです、こんにちは!。
 あずきに沼った経緯はこちら>2022.11.3/「あずきに沼った。。前回の記事を書いたとき、この粒あん編の記事はほぼ出来あがっていたのですが…。ちょうど2022年度産の新小豆が出回りはじめていて、炊いてみたら今までの作り方が新小豆には通用しなかったーーー!。記事にまとめた作り方じゃ上手くいかなかったのよ(´・ω・`)。そこで、新豆で作った時の失敗も書き加えたわ。新米の炊き方があるように、新豆には新豆の炊き方がありそう。あずきを煮てみたくなった方、新豆を使う時は新豆のところも参考にしてくださいませ。あずき沼、どこまで底が深いんだ…。今回はかなりマニアックな内容になってしまったけど、よかったら見ていってね~。

粒あん 作り方

 私がいろいろ試して、今の段階で、美味しいなと思う粒あんの作り方です(新豆は除く(^^ゞ)。あんは、使い方や好みにより作り方も変わると思うのですが、今回は汎用性が高くて、私好みの粒あんです。ここにたどり着くまでに試行錯誤した点は赤の見出しでメモっときました~。 

材料と準備

  • 小豆250g
  • 砂糖270~280g
  • 水あめ約大さじ1(なくてもOK)
  • 塩1-2つまみ(なくてもOK)
  • 出来上がり量は約750g 

粒あんはやっぱり大納言
 粒あんの小豆は、私は「大納言」推し。皮が柔らかく、中身が大きくホックリして、小豆の風味も上品で美味しいから。もちろん普通の小豆もおいしいです。ただ、あくまで大納言に比べるとですが、普通の小豆は微妙に皮の固さを感じるかな(気になるほどじゃないです)。

鍋は大きめで底が厚いもの
 鍋は、後から水をたっぷり注ぐし、豆も膨らむので大きめで。そして鍋底が厚いものがいいです。むらなく熱が伝わって弱火で長時間コトコト煮るのに適していて、砂糖で煮るときも焦げにくいです。
 粒あんの時は、私は圧力鍋は使いません。粒あんはゆで加減の見極めが肝心。豆により茹で時間も多少変わるし、良いタイミングで豆を取り出したいので、私は、状態を確認しながら煮ることができる鍋の方が作りやすいです。ちなみに、こしあんの時は、割れ、煮崩れを粒あんほど気にしなくてもいいので、時短のために圧力鍋を使うこともあります。

一晩に水に浸けるか、浸けないか
 豆は一晩水に浸して、吸水させてから煮ますよね。でも小豆は、水に浸さないで煮るレシピが多いです。浸けるレシピも少数ありましたが、私は浸けたことないです(汗)。浸けなくともおいしく炊けてたから。
 「料理科学の森」のこの説明は分かりやすかったです→「アズキを煮るときに、水に漬けずに煮る理由」。このグラフなどを見ると、小豆は10時間後くらいから吸水率が急に高まっていきますね。なので、一晩くらいでは水に漬けても吸水効果があまりなく、かといって十分吸水するまで浸けてしまうと銅割れしやすく、でんぷんなどが水に流れ出てしまうので、浸けない方がいいということみたい。

作り方

1,小豆を水でさっと洗う。

2,大きい鍋に小豆がとっぷりとかぶるくらいの水(豆の高さより3cm上くらい)を入れて、火にかける。強火。

3,沸騰してグラグラとして1-2分煮たら、水を加えて、温度を一気に50度くらいに下げる。 いわゆる”びっくり水”ってやつです。小豆の表面だけに熱が入って煮えてしまうのを抑え、中心部までじっくり吸水させるために温度を下げるとのこと。湯に指を10秒くらい入れられる温度が50度ですが、鍋の水位の倍ぐらいの高さまで水を入れると大体この温度になります。増えた分の水を捨て、また強火にかける。

4,3の工程を、しわしわだった豆の皮が伸びて、小豆がふっくらとしてくるまで繰り返す。平均で5-6回です。小豆がふっくらしたら十分吸水できたサイン。吸水後の小豆は、だいぶ大きくなってます(↓下の方にある左側の画像を見てね)

びっくり水は何回?
 私は大体5-6回というところに落ち着きましたが、ネットでレシピを検索すると1-2回のレシピが多いです。1-2回の場合は沸騰してから5~10分くらいと長めに茹でてから水を注いで温度を下げるというパターン。
 私のやり方が悪いのか、豆の違いなのか、5分ゆで→2回の差し水では、皮のシワが伸びきっておらず、この状態のまま本ゆでしたら、いつも以上に煮えむらが出ました。割れた豆が半分以上あるのに、まだ芯の残った豆も結構あるという…。びっくり水による温度下げは、豆の中まで吸水させることが目的なので、レシピの回数や時間というより、豆がふっくらするまでやった方がいいと思います。
 新豆の時も5回目ぐらいでシワが伸びてきたのですが、同時にこの段階で皮が裂けたり、割れたりする豆がちらほら出ており、本ゆでしたら、いつもより割れが多く、豆がほっくりというよりちょっと水っぽい仕上がりのあんになってしもた(涙)。新豆はどう吸水をさせたらいいの?。このあたりはまだ悩んでいるとこ。

5,渋切り=あく抜きをする。豆がふっくらしたら、鍋の水を全部捨て、小豆をザルにあげてざっと水で洗い、鍋に小豆と、ひたひた(豆よりちょい上くらい水位)まで新しい水を入れ、再び火にかける。強火→沸騰したら弱火。ここからが本ゆで。

渋切りするかしないか、何回するか?
 私は基本は渋切り1回で作ってます。渋切りしないレシピもあるし、2回するレシピもありました。渋切りのタイミングが遅めで、回数が多いと、淡泊でスッキリしたあんに、逆に渋切りのタイミングが早い、または渋切りなしだと、渋みえぐみ含めて豆の風味が濃厚なあんになります。
 渋切りなしで作った時は、豆のもあっ~とした濃厚な風味が感じられ、渋みやえぐみが残り、粘り気が強いあんこになりました。決して不味くはないです。それなりに美味しい。子供の頃、父が作ってくれたぼた餅ってこんな味だった~、なんか懐かしい~って思ったわ。ぼた餅や田舎しるこ、飾り気ない素朴な食べ方なら、渋切りなしでもあり。私は渋切りした方が好みですね~。抹茶とかよもぎとか、他の素材と合わせる場合も渋切りしたあんの方が、お互いの味が引き立ちますね~。
 「新豆 小豆 渋切り」で検索したら、新豆は渋(アク)が少ないので渋切りしなくてよいという情報も。私は、古い豆と同じように、新豆も渋切りしたけど、確かに水に溶け出した渋の赤茶色が薄めで、できあがったあんも、いつもよりややスッキリ寄りだったわ。時間が経った小豆ほど渋が多くなるので、渋切り回数、タイミングは、小豆が古いか新しいか、どんなあんにしたいかで、判断した方がよさそうね。

左:生と吸水後  右:ゆで上がり!

6,沸騰したら、弱火にし、豆が踊るか踊らないかぐらいの火加減で、豆が柔らかくなるまでゆでる。豆が湯から出ないように注意し、時々差し湯をして、豆が浸る水位を維持。
 ゆで上がりの目安は、割れていない硬そうな豆を取って、指で潰したとき、抵抗なく潰れて、中が半透明になるまで。指で潰れて柔らかそうに見えても、芯が残って中がまだ白っぽい時は、5-10分ぐらいずつ様子をみながらさらにゆでる。芯が残った豆があると、砂糖で煮た時にコツコツした硬い豆のあんになります(←やらかしたことがある人)。

ゆで時間
 ゆで時間は、私はだいたい50-120分の間です。ザックリしすぎだろっと怒られそうですが、たくさん煮てみて分かったことは、「レシピのゆで時間はあてにならん!」です。ここが小豆の難しいとこ。同じ北海道産小豆でも買った店が違うと煮え方も違うし、 大納言は小豆より長いし、新豆は煮えるのが早いし、びっくり水の差し加減とか、使っている鍋とか、火加減によっても時間は変わるので、状態を見てゆで上がりを判断するしかないっす。

7,ゆであがったら、火を止め、蓋をして30-60分くらい蒸らす。煮えむらをなくすため。

8,砂糖を入れてあんを煉る。ゆで汁が多く残っている時は豆がひたひたぐらいまで捨てる。 火加減は強めの中火~強火。ジャムなんかもそうですが、焦げるのを恐れて弱火にしてしまうと時間がかかり風味が落ちるので。
 砂糖はいっぺんに入れると豆が急に締まって固くなる感じがするので、私は1/3ずつ分けて投入。 砂糖の1/3を入れて火にかけ、ぐつぐつして何となくトロみがついてきたな~と思ったら次の1/3、泡が大きくなって何となく粘りでてきたな~と思ったら最後の1/3です。砂糖を入れるタイミングは感覚で覚えてるので、うまく表現できなくてスミマセン。この時のあんは、めっちゃ熱いので、飛び跳ねなどに注意してね。
 砂糖で煮る時は、水分が少なくなってきたら焦げないように木べらやゴムべらで底をこそぐように混ぜながら煮るのですが、ぐるぐる力まかせに混ぜちゃうと豆が潰れるので、私はヘラの面を自分と平行に持ち、ヘラを鍋底に押しつけながら静かに手前から奥に押して、左右交互に鍋肌をこそげながら手前に戻る感じでに動かしてます。
 また、砂糖を減らすとあんがパサつきやすいので、甘さ控えめといっても、最低、小豆と同じ重量の砂糖は使った方がいいと思います~。

9,あんが煮詰まって、鍋底にへらの跡が1-2秒くらい残るようになって、お汁粉よりは煮詰まってるな~、あんとして使うには緩いかな~ぐらいで火を止め、水あめと塩1-2つまみを入れます。冷める間にあんが締まって硬くなるので,緩いかな~ぐらいがちょうどいい(あんの硬さも使い方や好みで違ってきますが…)。水あめと塩は入れなくても十分美味しいです。水あめは入れるとツヤがでて、しっとり感が増すので、私は入れてます。

ゆで汁捨てるか捨てないか
 砂糖をいれる前に茹で汁をぜんぶ捨てる、または水晒し(鍋肌から水をちょろちょろ垂らして、ゆで汁と綺麗な水が入れ替わって水が透明になるまで続ける)してから、砂糖で煮る作り方もあります。ゆで汁を捨てると、すっきりとした、淡泊で上品なあんになります。サラサラっとした甘さ控えめぜんぜいなんかにはいいな~と思いますが、私はここまで豆の味が淡泊だと物足りないです。ゆで汁は残す派。

砂糖の種類
 上白糖、グラニュー糖、白ザラ糖を試したけど、どれでも美味しいです。グラニュー糖、白ザラ糖になるほどスッキリした甘さ。私は、白ザラ糖の甘さがすっと消えていくさっぱりした後味が好きなので、白ザラ糖を使ってます。
 渋切りなしで作る場合は、上白糖か、きび砂糖が良いかな~と思います。あの味の濃さには、強い味の砂糖が合うような気がする。試したことないけど…(←無責任)。

蜜漬け
 また、砂糖で煮る前に「蜜漬け」するやり方もあります。砂糖を全部加えて煮立ったらを火をすぐ止め、そのまま一晩寝かせてから、煉ります。豆のなかまで甘さを浸透させるため?と思いますが、私は、蜜漬けした時としなかった時の違いがあまりわからなかったので、こだわってないです。すぐ煮てしまう時もあるし、夜中に小豆をゆでて蜜漬けにしておいて、翌日に煉るとか、自分の都合でやってます(^^ゞ。

10,煮上がったら、バットなどに広げて冷ます。すぐ使わない時は、粗熱がとれたら、ラップや蓋をして冷蔵庫へ~。鍋に放置しておくと、熱でどんどん水分が飛んでパサパサになるよ~。
 冷蔵庫で1週間は持ちますが、風味は落ちていくので早めに食べるか、食べきれない時はラップでぴっちりと包んで冷凍保存へ。

はい、やっと完成!。長い道のりだったー。

粒あんで和菓子作ってみた

  ↓どら焼き、抹茶葛餅、田舎饅頭、梅ヶ枝餅。

 和菓子は初心者なのでまだ上手に作れないわ。見ての通り、包餡が致命的に下手(T-T)。でも、和菓子は見た目はアレレ~?でも、あんこが美味しいと、だいたいは美味しく食べられます(笑)。

こしあん編はこちら>2022.11.11「あずきに沼った~こしあん編」

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